Book of Today #3 花いくさ / 鬼塚忠

何気なく使っている言葉「花を”生ける”」その本意をしみじみ思う

浦安を舞台にした家族再生の物語、映画『カルテット!』
もうご覧になりましたか?

原作者の鬼塚忠さんには、この海辺のライブラリーにもご参加いただいたり、多くの作家のエージェントをされているお仕事柄たくさんのお薦めの本を寄贈していただいたり、私たちの活動の頼もしい応援団のおひとりになっていただいています。

その鬼塚さんの新作『花いくさ』
初の時代小説ということでどんな世界観なのか。想像がつかないなか手にとってみれば、グイグイと軽やかに読み進んでしまう鬼塚さんならではのいつものリズム感。それは戦国の世の突き動かされるようなスピード感とオーバーラップ。一方、主人公の華人“池坊専好”をとりまく美を追求する人々や花の描写はしっとり寄り添うように丁寧にゆっくりと。

まさに二つの美の世界の対比とでもいうようなリズム感の文体に導かれて、あっと言う間に引き込まれてしまいます。そして、普段何気なく使っている、花を「生ける」という言葉の本意をしみじみとかみしめながら、最後はもちろん誰もが涙の結末です。

そしておまけの逸話
この『花いくさ』。個人的には「海辺のライブラリー参加してて良かった~!」というおまけの逸話もありなんです。本好きだったらきっとうらやましがるに違いない海辺のライブラリーメンバーの自慢話はこちらです

ちょっと自慢...
http://sumijunko.typepad.jp/blog/2012/02/29.html